今回は移動平均線を使ったトレード手法について説明していきます。
移動平均線を使ったトレードは世界中のトレーダーの基本中の基本。
市場参加者たちの心理を探るうえでも、これを理解しておいて損はないでしょう!
まず、移動平均線はどんな特徴を持っているのか確認しておきましょうか。
いろんなまとめ方があるけど、ここでは以下の3つを挙げておきます。
・現在のトレンドを見極められる
・トレンドの発生を捕捉できる
・サポート、レジスタンスとして機能する
これらの特徴を生かしていくというのが、移動平均線を使ったトレード手法の基本的な考え方になります。
それぞれについて、簡単に説明をしていきます。
移動平均線のメリットの1つは大きな流れをつかむことができるということ。
大きな流れをつかんでトレンドの見極めができたら、押し目を狙いながらトレンドに乗って順張り。
移動平均線を使ったトレードの基本の考え方ですね。
移動平均線は大きな流れをつかめるけど、実際の値動きよりは少し反応が遅くなります。
期間の長い移動平均線ほど反応は遅くて、傾きの変化は緩やか。
この結果、トレンドが発生するときには、実レートや複数期間の移動平均線は一定の位置関係をとる現象が見られます。
この現象が出たことをトレンド発生のサインとみなすことで、トレンド発生を捕捉するというのがこれです。
ちなみにトレードする場合は、もちろんトレンド発生方向に順張りをすることになります。
トレンドが発生しているときに、何度も何度も同じ移動平均線で跳ね返されることを見たことはないでしょうか?
移動平均線はサポートやレジスタンスとして機能する、という特徴があるんです。
これを利用して、移動平均線がトレードにおけるエントリーやイグジットの目安にすること、けっこう便利です。
では、移動平均線を利用した具体的なトレード手法を見ていきましょう。
まずは、トレンド見極めを使ったトレード手法から。
このチャートの移動平均線は20本線です。
トレンドを見極める際の基本は、移動平均線の傾きとローソク足の位置関係に注目することです。
継続的に右上がりの傾きとなっていてローソク足が移動平均線の上に位置しているので、これは上昇トレンドだと見極めることができますね。
それでは、見極めた後にどうトレードしたらいいでしょうか。
トレンドが出ているときは順張りが基本。
また、トレンドが出ているときでも、一方方向に動き続けるということはなく、ちょっと休みを入れて、上がったり下がったりしながら動くのが相場というもの。
そのちょっと休んでいる押し目を狙っていくのがいいだろう。
ここで移動平均線がサポート、レジスタンスとして機能するという性質を利用するとさらにいい。
このチャートでは赤色のところでサポートとなっており、水色の部分でブレイクされています。
赤色で反発するのを確認したところがエントリーポイントで、ブレイクされた水色でイグジットポイントとなります。
今度は、3本の移動平均線を使ってトレンドを見極める方法を説明していきます。
「強いトレンドに乗る」というのが目的になるんだけど、強いトレンドが出たときってどういう形になるか考えてみてください。
例えば、移動平均線の短期線、中期線、長期線があったとして、強い上昇トレンドが出ているときには、これらがどういう位置関係になっているでしょうか?
答えは、それぞれの移動平均線が右上がりの傾きの状態で、以下の順番に並んでいます。
短期線 > 中期線 > 長期線
その中で、より短期的なトレンドを見たかったら、これらに加えてローソク足の位置関係も見るのもいいでしょう。
では、チャートで見てみよう。
このチャートの移動平均線は短期線が5本線(水色)、中期線が20本線(青色)、長期線が75本線(紫色)です。
ピンク色の部分から移動平均線の位置関係が上記の順番になって、強い上昇トレンドが発生します。
そして、緑色の部分で短期線が中期線をブレイクして崩れるまでの間、強い上昇トレンドが継続、目線は買いでのトレードをすることになりますね。
最初にこの形状が出たときを捉えられれば、そのタイミングでエントリーするのがベスト。
捉えられなかったら、移動平均線がサポートとして機能する性質を利用するなど、押し目狙いのエントリーポイントを探ることなるでしょう。
なお、イグジットポイントはいったんトレンド継続のサインが崩れる緑色になります。
現在のトレンド見極め方について説明をしましたが、トレンドが発生した瞬間を捉えられればそっちのほうがトレード的には有利です。
早くエントリーしたほうが損切り幅は小さくできるし、利益の幅は大きくなるから当然のことですね。
さっきの3本の移動平均線の解説は、このトレンド発生を捉える部分に若干かすっているところもあったんですが、次はこのトレンド発生のサインについてフォーカスしてみます。
まずは、ローソク足と移動平均線1本の位置関係を利用したトレード手法から。
この手法では、ローソク足が移動平均線を抜いたタイミングがトレンド発生のサインとみなします。
ただ、いつでもこれがサインになるわけではないことは注意しておきましょう。
これが使えるのは、トレンドが転換しつつあるような局面。
例えば、移動平均線が大きく上昇した後に、傾きが緩やかになり、徐々に横ばいから右下に傾き始めたようなタイミング。
こういったタイミングで、ローソク足が移動平均線を上から下にブレイクしたときが、下降トレンドの発生のサインになります。
このチャートでは移動平均線の20本線を表示しています。
前半はローソク足が上昇していく局面で、それによって移動平均線も大きく上しています。
上昇が止まった後は、移動平均線も徐々に横ばいに。
そして、赤色のところでローソク足が終値で移動平均線を下にブレイク、これがトレンド発生のサインです。
下にブレイクしているので売りでのエントリーポイント。
イグジットポイントは逆に下から上にブレイクする青色になります。
次に2本の移動平均線を使ってトレンド発生を把握する方法です。
これはかなり有名で、いわゆるゴールデンクロスとかデッドクロスとか言われているアレです。
この手法によれば、中期線あるいは長期線が横ばいか緩やかな傾きの状態で、短期線がそれらをトレンド方向にブレイクしていくときがトレンド発生とみなされます。
このチャートで表示している移動平均線は、短期線が5本線(水色)、中期線が20本線(青色)です。
中期線が上昇後に傾きが緩やかになり横ばいになっていく中で、短期線が上から下にブレイクをしていっています。
ここが下降トレンド発生のサインとみなすことができるので、売りのエントリーポイント。
下降後は中期線の傾きが再び緩やかになり横ばいになっていく中で、今度は短期線が下から上にブレイクをしていっています。
ここがイグジットポイント。
ちなみに、ここまでは移動平均線のクロスだけでエントリーポイントとイグジットポイントを設定したんだけど、他の特徴を組み合わせることによって、より良いイグジットポイントを探ることもできます。
同じチャートに長期線として200本線(紫色)を追加してみましょう。
この局面、長期線を見ると緩やかに下降から上昇の傾きに変わりつつある横ばいの状況だったんですね。
そして、緑色のところでは、長期線でサポートされそうな感じでもみ合っています。
大きな流れで下降が終わりそうな形の中で、長期線でもみ合っているので「ここら辺りが短期的には限界かな」という判断が可能です。
なので、長期線がサポートになるという見方で、長期線に当たったところをイグジットポイントと設定することもできたんです。
このあたりは、トレードの狙いによって自分の目的にあったやり方を選べばいい。
もっと利幅が伸びる可能性にかけて、トレンド終了のサインが出るまで持ち続けるというやり方ももちろんアリです!
最後に、ゴールデンクロスとデッドクロスについての注意点について、付け加えておきますね。
短期移動平均線による中長期移動平均線のブレイクがサインとなっていたわけだけど、単にこの形が出たからといって無闇にエントリーしていたら、かなり勝率は低いはず。
説明の中でも触れていることなんだけど、中長期移動平均線の傾きがカナリ大事で、これが横ばい、あるいは緩やかに逆方向に転換しているタイミングでのブレイクだけがサインになるんです。
例えば、中長期移動平均線がガンガン上昇いる中で、短期移動平均線がこれを上から下にブレイクする、なんてことはよくあります。
しかし、中長期移動平均線がガンガン上昇中ということは、上昇トレンド真っただ中ということ。
この状態でブレイクだけをサインとしてエントリーすると、トレンドに逆行したトレードになってしまうわけで、勝率がどうなるかは想像してみたら分かると思います。
あくまで、移動平均線はトレンドに乗っていくトレードを得意としているので、サインを見極めるときは中長期移動平均線の傾きにも注意しておきましょう!
FXをやっている人にはスイング、デイトレ、スキャル、いろいろなトレードスタイルの人がいると思います。
それでは、移動平均線を使ったトレード手法はどれと相性がいいんでしょうか?
まず前提として、例えばそれが5分足だとしても、月足だったとしても、移動平均線の基本的な性質は変わりません。
つまり、移動平均線を用いたトレードの考え方は、スイング、デイトレ、スキャル、それぞれに共通と言ってもいいでしょう。
違うのは、それぞれのトレードスタイルが狙う利幅の違い。
スイングはできるだけトレンドに乗って何百pipsと利幅を伸ばそうとするのに対して、スキャルは細かく取引をして数pipsの小さい利幅をたくさん取ろうとします。
デイトレだと、トレンドに乗ろうとする考え方は同じだけど、その日に取引を完結させるので、スイングに比べれば乗ろうと狙うトレンドは小さいものになるはずです。
こういった取引の狙いと合った移動平均線の使い方をすることが必要になってきます。
スイングとスキャルに関しては、トレンドに乗ることを狙っているので、自分が狙うトレンドの大きさに合わせた長さの移動平均線を使うことが大事です。
そして、そもそもトレンドに乗ることを狙っていないスキャルだと、移動平均線は、短期の流れをつかんで、サポートとレジスタンスとして機能する性質を利用するのが合っています。
どのスタイルが正しいとか間違っているとかはないですが、自分のトレードが何を狙っているのかをきちんと認識していることが大事です。
それができれば、移動平均線のどの特徴を利用するか、自ずと答えは出るはずです!
ここまで、FXで移動平均線をつかったトレード手法について見てきました。
移動平均線は相場の大きな流れがつかめるし、エントリーのサインだってあるしかなり使えるヤツだということがお分かりいただけたはず。
だけど、誰にだって長所もあれば欠点もあるように、移動平均線も万能というわけではありません。
移動平均線をうまく使ってあげるためには、その弱点を知っておくことも大事なんです。
移動平均線はトレンドが発生しているときにはかなり使えるテクニカルですが、レンジ相場が続くような相場には向いていません。
レンジ相場で移動平均線を無理に使おうとすると、ダマシの連発となってしまうこともあります。
このことを頭に入れたうえで、移動平均線は使わないと相場によっては痛い目に合ってしまうかもしれないですね。
レンジ相場かトレンド相場かを見極めることが大事になるわけだけど、移動平均線を使ってこれを見極めるときは複数の移動平均線の位置関係を見るという対処法があります。
最初のほうでも説明しましたが、強いトレンドが出たときは短期線、中期線、長期線がきれいに順番に並びますよね。
逆に言うと、レンジ相場の時はそれらがゴチャゴチャとしている状況になっています。
この特徴を使って、今は移動平均線を使ってトレードできる状況にあるかどうか見極める、というのも1つの対処法ですね。
移動平均線はトレンドに乗っかるのが得意なテクニカルです。
だけど、最大の弱点はそのトレンドを把握するタイミングがどうしても遅くなってしまうというところ。
移動平均線では直近の動きに対する反応が抑えられているため、どうしてもこうなってしまうわけです。
だけど、移動平均線を使うメリットを思い出してほしい。
そもそも直近の値動きに左右されないってことが、メリットじゃなかったっけ?
そう、この弱点はメリットと裏腹な関係にあるわけで、仕方ないとしか言いようがないのだ。
ちなみに前回も説明しましたが、こういった弱点を克服するために、いろいろな移動平均線が開発されてきたという経緯があります。
1つの解決策としては、大きなトレンドを把握するためには単純移動平均線を利用したうえで、トレンド発生のサインを捉えるためにはより敏感に反応する加重移動平均線や指数平滑移動平均線を使う、といった方法があるでしょう。
また、別のオシレーター系のテクニカルを併用してみるという手もあります。
この辺りをどううまくやるために工夫するか、これが移動平均線といい関係を築くための永遠のテーマかもしれません。
相場は波と表現されることがあります。
上がったり下がったり、下がったり上がったり、というのが1つの波で、この繰り返しで相場はできています。
この波のサイクルの長さによっては、移動平均線でトレンドを把握する際のタイムラグとの関係で、サインが裏目に出てしまうという状況もありえます。
つまり、移動平均線でトレンドをうまく把握できたけど、その時にはすでにそのトレンドが終わっていた、なんてことが起こりうるんです。
この辺りは非常に難しいところなんですが、サイクル分析などを併用したりしながら、その長さに合った移動平均線のパラメータ(期間の長さ)の組み合わせを試行錯誤するしかないでしょう。
「移動平均線で最適のパラメータは何なの?」、これは非常によく目にする疑問点です。
残念ながらこれには模範解答は存在しません。
これは個人的な意見だけど、最も最適なパラメータはその時々の相場によって異っているんだと思います。
しかし、最適化しすぎると条件の変化ですぐに通用しなくなるので、そういったパラメータは特定の相場でしか役に立ちません。
それを毎回設定し直すというのは不可能な話なので、1つの答えとして言えるのは、最適ではないが汎用性のある、メジャーなパラメータを設定しておくことでしょう。
相場は多数決で決まります。
なので、相場で同じテクニカルを意識している人間が多ければ多いほど、そのテクニカルは効きやすくなるはず。
移動平均線のパラメータでも同じものを見ている人が多ければ多いほどいい、というわけです。
メジャーなもの挙げておきましょう。
・日足 … 5日線、20日線、25日線、75日線、200日線
・週足 … 13週線、26週線、52週線
・月足 … 12月線、24月線、60月線、120月線
この中で、特に取引に直結するのが日足なので、日足で使用するパラメータの例にも触れておきましょう。
まず、長期線としては200日線がニュースでもよく出てきて注目度が高いので、これは必ず使いましょう。
これを押さえておけば、大きく方向感がズレてしまうことはないはずです。
短期線、中期線の組み合わせについては、取引スタイルにもよるんですが、20日線、75日線を使うのがバランスがいいでしょう。
もし、より短期的に取引をしたいのであれば、5日線、25日線という組み合わせがサインが出る頻度が高くなるのでオススメです!
高機能で”使いやすい”チャートってあるの?
FXで勝つために必ず必要になってくるのがチャート。
とりあえず口座を開いた業者のチャートを利用しているけど・・・という方も多いのではないでしょうか?
機能が充実していて、さらに使いやすいチャートを選ぶのが初心者脱出の第一歩。
管理人が本音でオススメするチャート機能が最強のFX業者を紹介しています!
もう1つ、移動平均線の使い方としてオススメなのが、トレンドラインを引く感覚でサポート、レジスタンスとして機能する移動平均線のパラメータを探すこと。
トレンドが発生しているときで、うまくトレンドラインを引けないようなとき、移動平均線のパラメータをいじってみるときれいに跳ね返っているようなラインが発見できるようなことがあります。
こういった移動平均線は市場で意識されているかもしれない!
そのパラメータがメジャーなものであったらなおさらですね。
それをうまく利用すればおいしいトレードができるので、トレンドが出た時など移動平均線のパラメータをいじりながら、サポート、レジスタンスとなっている移動平均線を探してみる、といった使い方もできるわけです!
FXの移動平均線を利用したトレード手法についていろいろと見てきました。
これを利用するときに大事なのが、移動平均線の性格をよく知っておくということ。
移動平均線のメリットを抑えつつ、弱点も分かっておく。
移動平均線は万能ではないので、機械的にサインだけに頼っていると、それが裏目に可能性だってあります。
そんな弱点があることも頭に入れておいたうえで、それをカバーするためにどうすればいいのか、ということを考えながらトレードをすることを意識すると一歩上のトレードが可能になるでしょう。
そして、移動平均線はかなり心強い相棒になってくれるはずです!
続いてはこちら!
移動平均線とRSIを組み合わせたFX手法について!
少年の心を忘れないアラサーリーマンです。将来を考えて給料だけでは不安だ、収入源を増やそうと100万円でFXを始めました。しかし、3ヶ月持たずに100万⇒15万へ減らし(涙) そこからFXの手法研究の日々を過ごし、ひと通りチャート分析手法を身につけます。が、それでも勝てず。結局、シンプルイズベストにして、トレンドに順張りする事に集中したら勝てるように。昨年も月単位で負けたのは2ヶ月で年間では本業と同じくらいの利益を出せるレベルまで来ました。僕が負け組初心者トレーダーから月10万円突破するまでに注意したポイントも紹介していますので是非チェックして下さい!⇒こちら
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