• 金融政策はどういう目的で誰が行うの??
  • 金利と為替相場の基本的な関係性について!
  • 日銀が発表したマイナス金利について!

FXをやっていると、よく「利上げが…」、「利下げが…」なんてことをよく聞きますよね。
利上げや利下げは、いわゆる金融政策と言われるもので、為替相場にも大きな影響を及ぼします。
なんとなく分かっているつもりでも、いまいちピンときていないっていう方は意外と多いんじゃないでしょうか?
そんなあなたのために今回は、金融政策とそれがもたらす為替への影響について、基本から解説していきます。

金融政策(利上げ、利下げなど)は誰が何の目的でやるの?

中央銀行はどうやって金利を誘導するの?

利上げや利下げといった金融政策を行っているのは中央銀行です。
中央銀行っていうのも、名前は聞いたことがあるんじゃないでしょうか?
日本だと日銀(略称はBOJ)のことです。
アメリカだとFRB、ユーロ圏だとECB、オーストラリアだとRBAといった形で、それぞれの国や経済圏で中央銀行があります。

日銀は日本で唯一、お金を発行したり、回収したりすることができる存在です。
これによって国全体にまわるお金の量を調節することで、利上げや利下げといった金利を操作しています。
目標とする金利は政策金利と呼ばれ、定期的に行われる日銀の会合で発表されているわけです。

lab10992-1

もう少し具体的に見てみましょう。
銀行間で資金の融通をし合う短期金融市場というのがあり、今の日本ではここのお金の需給バランスによって金利が決まっています。
お金が不足している状態だと高い金利でもお金を借りようとするので金利は上がりますし、お金が余っている状態だとその逆で金利は下がっていきます。

もし、日銀が銀行から国債や手形などを買って銀行にお金を渡すと、この金融市場で回るお金の量が増えて金利は下がります。
逆に、銀行に国債や手形などを売って銀行からお金をもらうと、この金融市場で回るお金の量が減って金利が上がります。
こういう仕組みで、日銀は金利を調節しているわけです。

(もっとも、今の日本は長期間デフレ状態にあるため、ずっとゼロに近い政策金利が設定されている状態が続いているんですが。)

金利と景気の関係

では、中央銀行はなぜこの金融政策を行っているんでしょうか?
それは、物価を安定させながら景気を過熱しすぎたり、停滞しすぎることがないようにするためなんです。

金利が低い状態だと、企業は銀行からお金を借りやすいですよね。
そうすると低い投資効率でも儲かるので、企業はお金を借りてどんどん投資をしていくので、景気が上がっていきます。
金利が高い状態だとその逆で、景気は下がっていきます。
ちなみに、景気が上がれば物価は上がり(インフレ)、景気が下がれば物価は下がって(デフレ)いきます。

景気というのは波にも例えられますが、一度過熱し始めるとそれが崩壊するまで過熱し続けてしまうことがあります。
日本のバブル崩壊や、もっと昔では世界恐慌なんていうこともありましたよね。
そういったことが起こらないように、過熱しすぎたら金利を上げてお金の回りにくくすることで景気を安定させるわけなんです。

ゼロ金利政策と量的緩和政策

金利を操作することで景気を安定させていくのが中央銀行の役割なんですが、景気が停滞しまくってどうしようもなくなったときに打てる最強の手は何だと思いますか?

金利を操作するのであれば、金利を限りなくゼロに近くすることですね。
この金利による景気安定化の一番強いものが、いわゆるゼロ金利政策というものなんです。
日本では、バブル崩壊後の最悪な経済状況の中で、1998年にこのゼロ金利政策が導入されました。
一時解除されたことがありますが、これが今でも続いている状態なんです。

しかし、このゼロ金利政策でも景気をうまく回復させることができず、日銀はさらに奥の手を使います。
それが、量的緩和政策(QE)です。

技術的なこともサラッと触れておきましょう。
金利を操作する場合は、銀行から国債などを買うことで短期金融市場における金利を動かすのを目標としていましたよね。
量的緩和政策では、銀行に国債などを売って銀行の持つお金の残高をいくらにするかというのを、操作目標にしたんです。
簡単に言うと、金利がゼロになっても銀行から国債を買うのをやめず、銀行の持つお金が目標の残高に達するまで国債を買い続けるということです。

これが日本では2001年~2006年にわたって行われ、アベノミクスで再び2013年から再開されています。
2013年からのものはそれまでの量的緩和政策よりさらに強力な内容で、区別すべく量的・質的金融緩和政策(QQE)とも呼ばれることもあります。

そして、さらに2016年には最強のはずのゼロ金利政策を超える、マイナス金利政策も導入されています。
金利がマイナスになるわけだから、お金を預けたほうが金利を払うことになるという訳の分からない状態ですが、確かにゼロ金利を超える強さはありそうですよね!
ちなみに、マイナス金利になるのは銀行が日銀に預けているお金の一部なので、僕たち庶民には今のところ関係はないようです。
(ページ最下部でマイナス金利に関する補足情報あり)

金利と為替の基本的な関係について

金利が上がればと為替はどうなる?

それでは、金利と為替の関係についても見ていきましょう。
もしお金を運用するのであれば、金利は高いほうがいいですよね?
市場の誰しもが同じ考えを持っています。

もし金利が高い通貨があれば、その通貨にお金を変えて高い金利で運用するはずです。
みんなが金利の高い通貨にお金を変えようとするので、その通貨はたくさん買われて高くなりますよね。
つまり、もし日本の金利が上がれば円は上がりますし、日本の金利が下がれば円は下がるということです。

中央銀行は金利を誘導しながら景気を安定させようと動きますよね。
この金利の動きによって、為替も動いてくるんです。
だからFXにおいては、中央銀行の政策金利がとても注目されるわけなんです。

短期金利と長期金利

ここで、もう1つだけ新しい概念を頭に入れておきましょう。
短期金利と長期金利です。
今まで金利とまとめて言ってきましたが、金利には実は2種類あったんです。

細かく言うと、これらは借入期間の長さによって区別され、1年以内のものに対する金利が短期金利、1年以上のものに対する金利が長期金利と呼ばれます。
ですが、長期金利と言った場合には、満期まで10年の国債の利回りを指すことが多いので、これをイメージしておくといいでしょう。

ちなみに、中央銀行が操作する(できる)金利というのは、2種類の金利のうち短期金利のほうのことです。
こちらは為替の短期的な動きに影響しやすいです。
そしてFXでは、これに加えて長期金利の影響も忘れてはいけません。
短期金利が短期的な為替に影響しすいのに対して、為替の大きな流れを見るうえでは長期金利が大事になってきます。

長期金利の決まり方

短期金利は中央銀行の直接の操作対象になっているので、多少のブレはあるとしてもだいたいが政策目標どおりに動きます。
これに対して、長期金利は10年間後の未来に対する予測を含んだ数字になるので、この間の市場の予測に影響を受けて動きます。

これは大事なところなので、イメージをつかむために単純化した例を考えてみましょう。
短期金利が1年国債の利回り、長期金利が10年国債の利回りとします。
この場合、市場がちゃんと機能していれば、長期金利は短期金利を使って複利で10年間運用した場合の利回りと一致するはずです。

仮に現在の短期金利が1%だとします。
これがもし、10年間ずっと続くと市場が予測していると、長期金利はどうなるでしょうか?
(1.01の10乗-1)÷10≒1.04%になるはずです。

一方で、もし5年間は短期金利は1%だけど、その後の5年間は5%となると市場が予測していると、長期金利はどうなるでしょうか?
(1.01の5乗×1.05の5乗-1)÷10≒3.41%になるはずです。

このように、短期金利を中心にこれから経済がどうなるっていくかという予測次第で、長期金利は変動しちゃうんです。
ちなみに、市場は先回りして動きやすいので、実際に短期金利が上がるよりも早く長期金利が上がるとも言われています。
これら2つの動きを見ながら、為替は動いているわけなんです。

(おまけ)株価と長期金利の関係

ここで、株価と長期金利の関係についても触れておきます。
長期金利は10年の国債と利回りをイメージしてください。
国債は満期がくれば、ほぼリスク無しで元本と利回り分の利益が受け取れます。
一方で株式は株価が下がったり会社が倒産するリスクを負いますが、うまくいけば大きな利益を得ることができます。

もし、これから景気が良くなっていくだろうというとき、あなたはどちらを購入しますか?
「予測が当たるかどうかわからないから国債でいいや!」という人ももちろんいますが、高利回りを狙っている資金は株式に流れていくんです。
となると、国債が売られて価格が下がり(利回りは上がる)、株価は上がるという現象が起こります。
これがリスク選好の状態です。

逆に、これからの景気が不安視されるようなときはどうでしょうか?
株式を持っていたら損をする可能せが高いので、国債にお金が流れていきます。
となると、国債が買われて価格が上がり(利回りは下がる)、株価は下がるという現象が起こります。
これがリスク回避の状態です。

このように、理論的には株価と長期金利は逆相関の関係にあるということが言われています。

具体的にシミュレーションしてみよう

景気のワンサイクルをイメージ

大まかな理論の部分について説明してきました。
バラバラに見ていくと理解しづらいかもしれないので、シミュレーションしながら見ていきましょう。
例えば、景気が良くなってから悪くなるまで、景気のワンサイクルをイメージしてください。

景気が良くなってきて、徐々に過熱感が増してきているとします。
株価は上がってきている状態で、長期金利も上昇していっています。
このとき、長期金利が上がってきているので、通貨に対する上昇圧力も増えていっています。
ちなみに、通貨高は景気にはマイナス要因なので、通貨高になると景気をおさえるという動きも確認できるはずです。

通貨高と株高が続いたら

通貨高で景気の過熱感が落ち着けばいいですが、ここでは過熱感がそのまま高まってしまい株価が上がり続けたとしましょう。
中央銀行は景気過熱を抑えるべく、政策金利を上昇させて短期金利を高めていく金融政策を行っていきます。
短期金利のこの動きを予想して、長期金利も先回りして上昇していきます。
金利が上昇していっているので、通貨も上昇していくことになります。
通貨高と金利上昇により過熱しつつあった景気は抑えられていき、株価は下がり始めます。

長期金利の動きにも注意

今度は景気が下がりすぎてしまいます。
市場は下がりすぎた対応を中央銀行がすることを予測して、長期金利が下降し始めます。
長期金利のこの動きを見ながら、通貨に対する下落圧力が強まっていきます。

そして、いよいよ中央銀行が政策金利を下げる決定をします。
短期金利が下がっていき、通貨の下落圧力もより強まっていきます。
金利が下がるので景気は持ち直してきて、株価も上がっていきます。
株価上昇は長期金利の下落にも働き、長期金利の下落は通貨安にも貢献することになります。

理論的にシミュレーションするとこういうかんじです。
ただ、実際はもっとたくさんの要素が複雑に絡み合っており、市場の予測というのもそのときどきによって変わってきます。
実際の動きは必ずしも理論通りとはならないこともあるので注意してください。
ただ、どう動くはずだという理論をベースに市場参加者は動いていきます。
それを読むという意味では、こういった相場の理屈を知っていることは、相場を読むうえためには必要なことなので覚えておいてくださいね!

例外パターン

最後に例外パターンを追加しておきます。
これまでは普通の経済状況の時の動きについて説明してきました。
そこでは、中央銀行は景気が悪くなったら金利を下げて通貨も下がる、景気が良くなったら金利を上げて通貨も上がる、というパターンでした。
ですが、経済がめちゃくちゃヤバいときは、ちょっと状況が変わってきます。
たとえば、ギリシャ問題のときのユーロとか、今の南アフリカの状況をイメージしてください。

経済がヤバい国の国債を誰も買いたいとは思いませんよね。
となると、国債の価格は下がって長期金利は上がっているはずです。
長期金利が高くなっていますが、リスクが高いので資金はその通貨に集まってこず、通貨は高くなりません。
こういうときには、長期金利が高いのに通貨安、という今までの理屈では導き出せない動きをするんです。

こうなると、通貨安に歯止めが効かなくなってきます。
中央銀行は通貨安を食い止める目的で、政策金利を上げるという動きに出ます。
これはうまくいけばいいんですが、金利を上げるとただでさえ悪い景気がもっと悪くなるという副作用もあります。
こうなると、なかなか難しい状況ですね。

こういった例外パターンもあるんです。
今の日本ではあまり考慮する必要はありませんが、特に新興国の通貨といったマイナーどころを触るときは注意しておいてくださいね!

(注)マイナス金利政策についての補足

マイナス金利政策について、もう少し細かく説明しておきましょう。
ちょっとその前に、日銀が「銀行の銀行」と呼ばれることについて知っておきましょう。

なぜ日銀が「銀行の銀行」と呼ばれるかというと、普通の銀行はすべて日銀に口座を持っていて、銀行間のやりとりはこの日銀の口座を通じて決済されるようになってるんです。
日銀が銀行から国債買った時のお金もここに振り込まれるんですね。
その口座は日銀当座預金と呼ばれています。

ちなみに、量的緩和ではこの日銀当座預金の残高をいくらにするのか、というのが操作目標になっていたんです。
マイナス金利政策では、この日銀当座預金の残高の一部にマイナス金利を適用することになりました。

lab10992-2

一部というのがポイントです。
日銀当座預金は3つに区分されて、そのうちの1つの区分だけにマイナス金利は適用されます。
上の図は日銀が発表した内容の一部ですが、これを見るとイメージがつかめると思います。
簡単に言うと、「持ちすぎた部分」にマイナス金利が適用されるということなんですね。

誰もマイナス金利になるところに、お金を預けたままにしておきたくありません。
これによって、日銀当座預金にたまりすぎているお金を市中に流そうとしているのが、マイナス金利政策なんです!

”本当に使える”FX業者を2社Pickup!
DMMFX
DMM.com証券はついにFX口座数国内第1位の会社になりました!※ファイナンス・マグネイト社調べ。2016年2月口座数調査報告書
FX課長としてはライバル的業者のGMOクリック証券よりおすすめ出来ます!
スペックはほぼGMOクリック証券と横並びなので、こうなるとどちらを選ぶかはもはや好みなのですが、その中でもチャートが使いやすい!!とFX課長は感じているのです。
これからテクニカル分析を覚える必要があるFX初心者にすごくおすすめな業者ですよ!
DMM FX
外為ジャパン
外為ジャパンは1000通貨から取引可能な会社です。 外為ジャパンは派手な宣伝はしていませんが、約定力&操作性、スプレッドといったそもそものスペックが非常に高いFX業者です。 考えてみれば、スペックが良くないと、そもそも取引を増やそうと思わないですから納得の高水準です!
外為ジャパン
The following two tabs change content below.
FX課長
少年の心を忘れないアラサーリーマンです。兼業投資家。 主にスイングトレードを中心にトレードをして、年間通して勝てるようになってきました。 最初はボロ負けしてたので、そこからどうやってFXで勝てるようになったかやFXに関する情報を書いています。

▲ トップに戻る

FXネオ
FX業者について
FXとは?
FX初心者入門講座
FXの手法
FXのチャートについて
経済危機
FX自動売買
FXニュース
FXの本
主要経済指標の見方
デモトレードおすすめ活用法
資産運用の比較
節約術
投資商品

管理人:FX課長

少年の心を忘れないアラサーリーマンです。将来を考えて給料だけでは不安だ、収入源を増やそうと100万円でFXを始めました。しかし、3ヶ月持たずに100万⇒15万へ減らし(涙) そこからFXの手法研究の日々を過ごし、ひと通りチャート分析手法を身につけます。が、それでも勝てず。結局、シンプルイズベストにして、トレンドに順張りする事に集中したら勝てるように。昨年も月単位で負けたのは2ヶ月で年間では本業と同じくらいの利益を出せるレベルまで来ました。僕が負け組初心者トレーダーから月10万円突破するまでに注意したポイントも紹介していますので是非チェックして下さい!⇒こちら

FXに関する質問、疑問、お悩みなどをお気軽にご連絡ください。
メールはこちらから

にほんブログ村 為替ブログへ
ブログ村ランキングへ


人気ブログランキングへ



  • DMM FX
    外為ジャパン
  • Copyright (C)2017 GV inc. All Rights Reserved.